赤切符と青切符

近年自転車の交通事故が多発している  

全体の交通事故件数は目立って減少しているが、自転車関連事故は横ばいのまま高止まり、全体に占める割合は逆に増加している。

(東京都内の年次別交通事故件数と事故に占める自転車の割合。本稿掲載の図表など3枚はいずれもNHK NEWS WEBより)

10数年前から自転車は数々の新しい需要を生んでいる。いくつか並べてみると  

排気ガスを出さないECOな近距離移動手段として(シェアサイクル・電動アシスト車・自転車通勤など)

健康志向に役立つ

コロナ禍で密を避ける(フードデリバリー)

その結果高速走行するフードデリバリーのスポーツ車や親子3人乗りの重量50kmを超す電動アシスト車の増大より事故はますます増すばかり。

業を煮やした警視庁では、本年(2022)秋から違反取り締りを強化、全国の警察もこれを追随する。

(自転車交通の指導をする警察官)

  もともと自転車と自動車では、交通違反の取り締まりに違いがある。

自動車では、酒酔い運転のような悪質な運転には交通切符いわゆる「赤切符」が交付され、場合によっては刑事罰の対象になる。一般的な違反には行政罰として「青切符」が切られ反則金を納付する。

自転車でも悪質な違反には赤切符が交付され、刑事罰の対象となる。但し反則金納付で済む「青切符」の対象にはなっていない。

  本題はこれから。

自転車交通違反はいろいろある。基本的には一般的なルールを守ればよいが、このたびの取り締まり強化の眼目は次の4項目である。

信号無視

一時不停止

右側通行

徐行せずに歩道走行

これまでほとんどが「警告」にとどめられていたが、今後悪質な違反は赤切符を交付され検察庁に送られ刑事罰の対象となる。しかも違反を繰り返すと講習の受講が義務付けられる。

(重点的に取り締まり強化される4項目の違反)

昨年(2021)都内で赤切符を切られた自転車は4.300件。もちろん違反の取り締まりは必要であるが、所詮一過性のもの。

交通ルールの徹底と自転車道の整備を期待したい……。

「参考」違反切符の種類

切符の種類違反の度合罰則の種類処分内容
赤切符重度刑事罰免許停止と罰金または懲役
青 〃平均的行政罰違反点数加点と反則金(自転車は対象外)
白 〃軽微 〃違反点数加点
(注)切符の色名は、5枚綴りの「交通切符告知票」の1枚目の色から名付けた俗称

4か月前