BICYCLES AS HUNAN DREAMS
(財団法人 シマノサイクル開発センター 1992年刊)

とにかく美しい。どの自転車の写真やイラストを見ても、歴史を刻んだもののみが持つ工芸美に溢れている。

サブタイトルに「クラシック自転車写真集」と銘打ってある通り、クラシック自転車を時代を追って紹介する写真集であるにもかかわらず、自転車本中の自転車本と言っていい。

内容は1818年最古の自転車ドライジーネから始まり、次いで時代を画したいろいろな自転車が紹介され、末尾は1991年現代のMTB(マウンテンバイク)とロードレーサーで終わっている。

これらの写真やイラストをしみじみ眺めるとき、自転車200年の歴史のなかで、時代を遡るほどに工芸美の輝きが増して見えると感じるのは評者だけであろうか。

付け加えれば、本書自体のデザイン(体裁や構成)も美しく、また写真だけでなく要点のみを記した簡潔な説明もわかりやすくてよい。

タイトル「BICYCLES AS HUNAN DREAMS」通りに、人力で走る唯一の乗物である自転車に賭けた先人たちの夢と情熱と努力の映像が、この1冊に凝縮されている。

時代を追っていろいろな自転車を写真で一覧できる本書は、自転車史を探求する者の座右の自転車本として高く評価できる。

3週間前