「陸船車」とは?

角田安正・雑記帳

陸船車とは世界で最も古い自転車とされる四輪自転車のことで、別名千里車とも言う。

現在の埼玉・本庄市の百姓庄田門弥が、1720年代に考案した舟形の足踏み式四輪自走車である。

写真は今春開催された科学技術館のイベントに展示された復元模型で、“日本の発明品 足踏み式自走四輪車”と銘打たれている。

(陸船車の復元模型)

(陸船車の仕様)

全長は舟形四輪のため2.700㎜と大きいが、ホイールベースは1.530㎜と比較的短く設計されていて、(現在のシティ車は1.060㎜ぐらい)走行安定性がよく乗り心地を重視したのであろう。

  また時速は14㎞以上だったと記録されている。

このスピードは現在のママチャリ平均速度12~18㎞に遜色ないスピードであり、もっとブラシュアップされれば実用の役に立ったことだろう。

(古文書に記録された陸船車の構造)

いずれにしろ世界的には最古の自転車とされるドライジーネの発明は1817年である。その百年近い前の1729年に、日本で自走車が考案されたことは驚異的なことである。

さらに陸船車に触発されて、その3年後には滋賀・彦根藩の平石九平次が船形三輪自走車「陸舟奔車」を考案している。

(詳しくは自転車物語単行本情報 – 自転車物語Web (jitenshamonogatari.com)ご覧ください。)

  問題は陸船車(舟形車)が自転車の範疇に認められるかどうかである。

欧米では一般に否定的であるが、イタリアの自転車エコ運動「エロイカ」のーリオ・ジャンニーニ会長は「クランクペダルがあるから自転車と言えよう」と述べている。

日本では知名度が低くほとんどの人が陸船車を知らない。埼玉県と滋賀県と連携して文化遺産として最古の自転車の話題づくりに励むのも一つの方法である。

陸船車発明者庄田門弥のご子孫が埼玉本庄市の小学校の初代校長とのことで、全児童が陸船車に試乗したと聞く。

このような面白いニュースはもっと報道されるべきであるが、地道な活動はいつの日か花が咲く。

本庄まちNET(副代表新井正人)の皆さんの活動に心からのエールを送りたい。

1か月前