移転・新装オープン、シマノ自転車博物館

3カ月前に書いたコラム「オーディナリー時代は面白かった」の写真は、大仙公園にあった旧自転車博物館に籠もって仕事をした当時のもの。200年前の超古い車両撮影をしたのは、3月24日に、大阪・堺区南向陽町に新しくオープンした「シマノ自転車博物館」の関連業務でした。その立地は南海電鉄高野線「堺東駅」下車徒歩5分、公共交通機関でのアクセスがいい。
 
博物館の展示物は、基本的に触れることはできません。が、思う存分に観察し、触り、動かした。なぜなら、美しいアングルで撮影する仕事だから。とはいえ、無造作にはいじれない。すべてが経年変化で劣化していたりするので、腫れ物に触れるような心境でした。
 
自転車の始祖であるドライジーネ(1817年)からオーディナリーに至る19世紀初頭の歴史的自転車。そして20世紀の名車の数々と、そのコンデイションはバラバラでしたが、新博物館にずらり並んだ車両はどれもきれいに整えられていて感心しました。ホコリを払い、それなりに鑑賞に耐えるようにする“さじ加減”、これが歴史的自転車のクリーニングではセンスが問われるのです。
 
骨董自転車は、肯定的な意味合いでの古びた感じが“趣き”であり“味”。だから、タイヤに艶がでるようなワックスを塗るのはダメ。でも保存のためにゴムを空気と遮断する手段は必要です。動体保存、という言葉があります。乗り物は常に動くように保存されているのが理想です。蒸気機関車や帆船も同様です。自転車を動体保存しているように見せるポイントは、空気入りタイヤは膨らんでいること。
 
タイヤに空気を毎日補充するのは手間仕事。ゴムが劣化したヴィンテージ自転車のタイヤは、空気の代用に詰め物をします。きれいに詰めて整えるのは職人仕事。自転車愛がないとできません。
 
僕がいちばん驚いたのは、展示車両のペダルが水平に保たれていたこと! ペダルは本来、お辞儀をするように斜めになる構造です。どうやったの? 下から覗いて納得、シャフトの根元を細いタイラップで固定していました。よくもまぁ、手間隙を惜しまずの作業、お疲れさまです。素晴らしい! 大阪に行ったらぜひ、見てください。
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施設名称 [シマノ自転車博物館]
所在地 〒 590-0073 大阪府堺市堺区南向陽町2-2-1
アクセス 南海電鉄高野線「堺東駅」下車 徒歩約5分
入場料金 一般 \500円 65歳以上無料
高校生・大学生 \200円 小学生・中学生・未就学児無料
*2022年3月現在、感染症予防のために人数制限があるので入館にはネット予約が必要。

2か月前