いまサイクルトレインが盛んになっている 。
これまで自転車の列車内持ち込みは原則禁止とされ、車体を分割して輪行袋に入れた場合のみ許可されていた。
最近サイクルトレインと呼んで、自転車をそのまま持ち込むことができるサービスが全国的な広がりをみせている。路線バスにおける同様のサービスはサイクルバスという。
始まりは2000年ごろから。
地方では人口減とマイカー普及によりローカル鉄道の乗客が減ったため、路線バスの廃止や減便が相次ぎ、駅からの移動手段が無くなっていた。
列車に自転車を持ち込めれば、駅からの交通利便性が増すとともに、遠方からのサイクリングや観光の誘客も見込まれる。
これらの乗客増を狙って地方の中小鉄道が持ち込み可を打ち出し、国交省によると2016年時点で全国52社62路線が定期や期間限定のサイクルトレインを運行している。
加えてサイクルイベントや観光最盛期に合わせて臨時列車を運行する鉄道も多く、5年後の今日では国交省の統計よりはるかに多いサイクルトレインが走っていると思われる。
最新のニュース2例を紹介する。
これまで大都市圏では、通勤時の車内や駅構内の混雑回避と安全確保のため、サイクルトレインを実施する鉄道はなかったが、関東の大手私鉄「西武鉄道」が2021年10月から西武多摩川線で運行を開始した。
自転車持込は無料、運行時間は直前3カ月間に実施した実証実験を踏まえて実験より長くしたという。
平日9.00~17.00(実験では10.00~16.00)
土日 終日 ( 〃 8.00~18.00)
西武鉄道では、コロナ禍で利用客が3割減少して混雑が緩和されて自転車持ち込みの余地が生まれことにより、SDGsに対応する自転車利用の買物やレジャー客の増加を期待しているという。

もう一つのニュースは、JR西日本が2021年12月から和歌山紀勢線(紀伊田辺~新宮駅105キロ)の普通列車への自転車持ち込みを許可したこと。
これに先駆けての実証実験の結果、1日14人程度の利用者増が見込まれたので少なくとも22年末では続行するという。