千葉島1周
/千葉県は島だった

“日本横断ぶった切り”を終えたオッサンたち、千葉県が島であることを実証するために県外周の旅を始めた。初日は江戸川河口を北上して、利根川と合流する最北端から銚子まで約180kmを走破した。今日は外房方面へ向かい200km走り館山に泊まる。最終日の明日は東京湾岸で江戸川河口に戻ってくる予定だ。

(3泊4日、3日間の行程計画)

最東端犬吠埼

朝5時起床、天気は快晴!

「カンタさん、調子はどうですか?」

「脚は大丈夫、でも風が心配だよな」

午前中は、サーフィンのメッカ九十九里浜を走る。風が吹くことでも有名、自転車にとっては風向きにより一日地獄となる。

出発して数キロ、小高い丘を登ると、すぐに千葉県最東端“犬吠埼”に到着した。

(朝日を背に恒例の早朝コマネチ!)

綺麗すぎる眺め、ここは“初日の出”の人気スポットだけあって素晴らしい景色だ。

昨日は千葉島の最北端、今日は最東端での記録撮影。残る最南端と最西端でも写真を撮ろうと決める。

九十九里浜のサイクリング道路に入る。ここを走破すれば軌跡は千葉島の一番長い外輪になるはず。

迷うこともない!と思ったのもつかの間、道路は砂で埋もれて走りにくい。風が強く浜の細かな砂が降り積もっているのだ。仕方なく浜から離れ、近くの国道を走ることにする。

密漁船?

順調に南下すること約70km「東金九十九道路の料金所」に到達。東京方面から九十九里へ行くアプローチ点である。

「カンタさん、まさか自転車でこの国道を走るとは思いませんでした!」

この辺りは意外とキャンプ場が多い。昔からオッサンたちはキャンプに来ているので土地勘があるのだ。

「車だと味気ない景色だけど、自転車だと気持ちいいな!アツシ、もうすぐ“密漁船”だ!」

“密漁船”とは、国道沿いにある「海鮮居酒屋」のこと。これまでも食事をするスポットとして活用してきた馴染み店だ。

(海鮮BBQや各種定食がうまい!)

まだ10時過ぎ、今回は昼食をあきらめ先を急ぐ。

さらに南下すること25km、

「見えてきました!大原キャンプ場です」

「アツシ!オーナーに挨拶していこうぜ!」

大原オートキャンプイン そとぼう

いすみ市の九十九里浜沿いで営業している、通称“大原キャンプ場”。

ここは、オッサンたちが長年楽しんでいるキャンプ場である。

(オッサンたちのテント場、1か月前にも来ていた)

オーナーは、以前カンタさんが勤めていたアウトドア商品を扱う商社の元同僚。商社を辞め、念願のキャンプ場をここ大原の地に開設した。

綺麗に区画された芝生と、浜まで歩いて3分という立地から、サーフィンや釣りが楽しめる大人気のキャンプ場である。夏は予約がいっぱいで、オッサンたちは閑散期の秋から春先の寒い時期に良く利用させてもらっている。

(管理事務所はキャンピングカー風)

「オーナーさん、こんにちは!」

「おぉ!カンタさん、今日はどうした?」

「千葉県が島であるかを確認に、自転車で1周してるとこなんだ」

「相変らず、アホなことやってるな(笑)」

冷たい飲み物をごちそうになり、最近のキャンプ事情を聴く。

キャンプ用具が豊富で便利になり、にわかキャンパーも増え、基本ルール(炭やゴミの処理、夜騒がない等)が守られていない。良い常連を作るのが大変とのこと。

カンタさんはある公益財団の運営する公園の管理人。今、大きな夢を抱いている。それはキャンプ場の経営だ。各種資格を取得しながら、管理人という業務を通して、経営に必要な知識を勉強中、オーナーの話は役に立つ。

  ボーイスカウトでは、キャンプ撤収時に繰り返し使われる言葉がある

「帰る時、残して良いのは“感謝のみ”」

モラルが大事なのがキャンプ場である、好きだけじゃできない商売だと改めて感じた。

(GAARMINデータだと寄り道の軌跡が良くわかる)

オーナーと別れ、近くの大原漁港に立ち寄ると月例の朝市を開催していた。新鮮な魚介類が売られていて、買って帰りたいが今回はあきらめる。

そばの屋台でタコ飯を購入し昼食とした。

(ビール呑みたい!)

最南端野島崎と、最西端州崎灯台

お腹が満たされ、先を急ぐ  

御宿、勝浦、鴨川を通過、細かなアップダウンが始まり、脚へのダメージが蓄積される。観光地だけあって交通量が増えるが、道の駅も点在しており休憩場所には困らない。

160kmを越え、徐々に西へ進行方向が変わると、風が強くなってきた。カンタさんはアツシの後ろに付き、風をよけながら我慢している。

ひたすら走り、170km地点、最南端の野島崎に到達!

(疲労が色濃く、コマネチすらを忘れる)

16時過ぎ、今日の宿泊地“館山”方面を示す看板が増える。県道410号線を北上すれば近道だが、数々の看板を横目に海岸沿うを進む。

(今回は千葉島1周の旅、Garminデータより)

競輪選手の練習場所で有名な“房総フラワーライン”に入る。数キロ続く真っすぐな道で風が強い。日没前にはホテルに着きたいがペースが上がらない。地味にツライ!

最西端の“洲崎灯台”は丘の上だ。お互いマイペース走法に切り替え黙々と登る。だが、カンタさんは今にも止まりそうなスピード、完全ノックアウトである。大丈夫かな(笑)

(なんとか日没前に登頂)

この先、丘を下れば館山市内だ。念のためライトを着け、日没とほぼ同時刻に館山駅前のホテルに到着した。

館山トライアスロン

シャワーを浴び、早々に居酒屋を探し駅前をウロウロする。

なんか前に見たことある街並みだなぁ……、

そうだ、トライアスロンのアジア選手権が開催された場所だ!

ブリヂストンでは、09年から上田藍選手へ自転車の機材サポートを行っている。上田はトライアスロンで北京・ロンドン・リオオリンピックの3大会に出場、現在も東京大会出場を目指すトップ選手である。

(13年日本選手権にて、上田選手はブルーが好き)

12年の大会に、アツシは上田のレース応援に来ていた。バイクで遅れたもの、その後のランで大逆転優勝した雄姿を思い出す。

毎年トライアスロンが開催される土地柄か、宿泊したホテルは「サイクリストに優しい」と銘打って宣伝している。部屋への自転車持ち込み (壁への立て掛けもOK)はもちろん、備品の貸し出しやロビーにはフロアポンプも完備されている。

(サイクリストにお勧めのホテルです)

居酒屋で新鮮な地魚も堪能し、明日に備えて早めに就寝した。

2日目の走行軌跡、garminデータより)

最終日は東京湾岸を走る

6時に出発。昨日の疲労感を感じるがゴールまで残り130km、頑張ろう!

(意気揚々と出発)

今日は月曜日、しかも通勤時間帯、国道は車が多く走りにくい。カンタさんは出発時、“疲労感はあるんだよね”と言っていたが順調そうだ。時間はある、のんびり行こう……。

  すぐに富津岬に到着。

(平日に走るのは色々な意味で、気持ちいい!)

そこから幕張方面へはコンビナートが広がっていて、海岸沿いを進むのは困難。やむなく海よりの国道を走る。

以前この国道で、高校自転車部が練習中に路駐のトラックに衝突する死亡事故が発生した。それ以来、路駐取締りが厳しくなったという。

  “疲れていても、しっかり前を見て走らないとダメだ”と、アッシは改めて自分に言い聞かせた。

江戸川河口に戻ってきた!

習志野から船橋に入ると、首都高湾岸線の高架下を走り、江戸川河口のスタート地点に無事到着した。

(千葉が“島”であることが証明された瞬間!)
(3日目の走行軌跡、garminデータより)

「カンタさんの言う通り、千葉県は“島”でしたね。すごいや!」

興奮するアツシに、カンタさんは何か言いたそうにニヤニヤしている。

「アツシ、アレを見ろ!」

カンタさんが指さす方向を見ると、対岸に東京ディズニーランドが見える。

なんだろう?

「あそこは浦安市、ということは千葉県だ、つまり向こうは“西千葉島だ!」

はぁ???

また突拍子もないこと言いだすカンタさん!

「実は千葉県は二つの島からできている。オッサンたちが走ったのは“東千葉島”

隣に“西千葉島”があるんだよ、ガハハハ」

確かに地図で見ると江戸川河口を挟んで浦安市がある。東京ディスニー―ランドが西千葉島にあることは周知の事実だ(笑)、とカンタさんは言うのであった……。

(確かに“西千葉島”が存在している)
(帰宅後のカンタさんfacebook、千葉島について考察)

いつか走りたい佐渡島

「西千葉島には驚いたけど無事千葉一周できました。次は何しますカンタさん?」

意外な回答だった。「新潟の“佐渡ロングライド”をしたい!」と。

佐渡島1周はアップダウンの厳しい210kmを走るロングライド。完走できるのか?おそらく今の実力では無理だろう、それは本人もわかっている。

でも、いつかカンタさんと夕日が見える佐渡の浜辺で一緒にゴールしたいなぁ……。

「佐渡は置いといて、どこか別な場所に走りに行こうぜ、アツシ!」

オッサンたち、次はどうする?!

4か月前