「都県をまたいだ移動はお控えください」の国からの要請を受けて、都内を健康維持のために徘徊。テーマは「聖地巡礼」です。
前回のコラム、家系図を話題にしましたが、日本の自転車の産業遺産はどうなの? 大阪にはシマノの「自転車博物館」がある。 東京には自転車普及協会の「自転車文化センター」がある。この二カ所では史料や過去の製品を保存しています。 マニアが昔のことを調べるとき、どちらも大いに役立ちます。
しかしまぁ、ご存知のように日本の自転車産業は空洞化してブリヂストン、パナソニック、かろうじてミヤタ、アラヤが残っているが僕の知る限り自社の過去史料を保存している所はほとんどない。自社の歴史を誇りとし、足跡を保存してもらいたいものです。
愚痴を言ってばかりじゃ仕方ない。気を取り直して都内徘徊で出かけた3カ所をご報告。写真1は、東京・墨田区菊川3丁目にある[宮田製作所跡]の看板です。明治14年に宮田製作所が創業されて、鉄砲鍛冶の技術を用いて自転車を国産化した、といういきさつが墨田区教育委員会によって説明されていた。
写真2は、東京・板橋区若木1丁目の風景。ここでかつて[三光舎]という町工場が第二次大戦直後に国産変速機を作りましたが、現在はごらんのとおり住宅地。場所を特定するために古くから営業している豆腐屋さんに聞き込みして判明。米屋、豆腐屋は昔のことを聞き込みするのに経験則から適していると考えます。
写真3は、東京・豊島区高田の千歳橋。ここには30年ほど前まで[安全自転車株式会社]の工場が残っていた。この会社は規模が小さいメーカーですがオーダー部門があり、片腕のビルダーがいい仕事をしていた。僕が70年代に初めてロードレーサーを誂えた思い出の場所ですが、現在は都電荒川線の側道となり何もない。
自転車での徘徊、テーマを自分なりに決めて、みなさんも有酸素運動に励みましょう!