メイド・イン・ジャパンを発信

先祖の写真を飾っていますか? 家系図を持っていますか?

人は遺伝子で過去と繋がっている。子孫のためには自分の歴史を説明してあげることは大事だと思う。

私は自転車が大好き。とくに変速機。スポーツ用だと外装変速機で、ディレーラー。DERAILLEUR。異なるギヤ相互のチェーンの掛け換えを、チェーンを脱線させるようにして実現する機構です。

スポーツ自転車はメカニズムがシンプルで、その仕組みと動きがよくわかるのが魅力! そのシンボルが外装変速機=ディレーラー!

パッと見て理解しづらいディレーラーはいけない。1970年代より昔の製品が面白い。眺めるだけで推察できるのがいい。実際に触って作動確認して感心できれば最高。

日本には世界に誇れる部品製造業「シマノ」がある。「サンツアー」があった。この二つのメーカーが世界的に認知されているのだが、ちょっと待ったぁ!! 私はそう叫びたい。

世界的にディレーラー史文献として有名な「The Dancing Chain」(初版2000年)でも載っていない。それに憤りを感じて数年前、港サイクリングクラブのメンバーでライターでもある六城雅敦氏と日本の変速機史を掘り返した。

第二次大戦に敗れた焼け跡で、サイクリング好きマニアたちが手作りに近い仕事をして変速機を作った。東京・板橋区の三光舎(廃業)が敗戦翌年の昭和21年(1946)に、元航空機技師の鶴田成正が英国シクロをコピーして作った2本ケーブルの3段用ヘリコイド式変速機。昭和20年代はゴムがなくて自転車部品はタイヤ・チューブが枯渇していた時代の取り組みだ。

注目すべきは斎藤製作所謹製「FUJI SPEED-X」。昭和24年(1949)のことで、写真の「SPEED-X」は英国シクロとトリプレックスを参考に工夫を凝らして作られて少量ながら販売されたが需要は乏しく資料もほとんど残っていない。

こういった歴史が、残念ながら日本でも記憶が風化されつつある。語り継がれるべきディレーラーを世界に発信したい。

classiclightweights.co.uk

上記は英国のヴィンテージ自転車やサイクリング情報を網羅する素晴らしいウエブサイト。今、ここに日本の変速機史を段階的に寄稿している。掲載にはいましばらくかかります。

日本の自転車マニアとして英語圏のマニアたちに日本の変速機史を認知してもらいたい!! ただただそれだけの願いです。

3年前