取り残された島国、日本
トレックジャパンが先日、「2020イヤーモデルのロードバイクにはキャリパーブレーキ仕様の供給はありません」と正式アナウンスした。
日本のロードバイク市場では、まだキャリパーブレーキとディスクブレーキが併売されている。だが世界的にはすでにディスクブレーキを装着したロードバイクが主流であり、アメリカではディスクブレーキが当たり前。
ディスクブレーキのプロロードレースでの解禁は2018年7月、UCI(国際自転車競技連合)が全面解禁を打ち出して、ツール・ド・グランスなどビッグレースでも使われるようになった。オフロード系のトライアルやマウンテンバイクでは20年以上前から使われてきた。
雨の日でも確実に制動力が得られるディスクブレーキの優位性は誰もが認めるところだが、昨シーズンまで日本市場では、オンロード系サイクルショップ:販売店側に新しい組み立て・整備スキルを要求される油圧ディスクブレーキに困惑があった。
しかし3年ほど前からロードバイクはエアロダイナミクスの追求、太めのタイヤ幅のチューブレス化、ディスクブレーキ化がセットで大きな潮流になった。
進化はe-BIKEの分野ではさらに進み、すでにABSブレーキがボッシュで実用化されている。
マフラーのように首に巻きつける自転車用エアバッグも2015年から実用化されて日本でも販売中だ。
安全のためのアイテムはしかし、スポーツサイクルを操る喜びにぞっこんのマニアには、ある部分で反発感を抱かせる。実は筆者も、クルマの自動運転などはあまり好きではない。変速は今だにマニュアルミッションの愛用者だ。
とはいえ、ディスクブレーキ化はきっと一気に進むだろう。
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