「ジャパンバイクテクニーク2019」の紹介を以前にここで書きました。自転車の変速機マニアならご存知かもしれませんが、19世紀後半に長距離自転車旅行の遊び方を提案してオートクチュール自転車と、変速機の重要性を熱心に説いて “シクロツーリズムの父”と呼ばれたヴェロシオの意志を、21世紀の今に日本で復興するイベントです。
長野県と群馬県をまたにかけた山岳コースで、新時代の旅用自転車として誂えたスペシャルがプレゼンテーションで己の哲学を主張した後に走って、スペシャルステージではタイムを競い、ダート区間では特別なゲーム(バッグに入れた温泉まんじゅうが揺れて変形しないように運ぶ)で総合的な完成度を示したのです。
参加したコンテンダーは16チーム。
山音製輪所・MONTSON・MONTSON
柳サイクル・YANAGI・YANAGI
自作自転車秘密研究所・NAGARA
絹自転車製作所・テンションシルク・テンションシルク
ベロクラフト・VELOCRAFT
Cスピード・エキップ 鉄中年林走会 KeihinPista・course nove
東京サイクルデザイン専門学校・ひろちゃんず・SPROUT
東京サイクルデザイン専門学校・SHIBU・SHIBU
東京サイクルデザイン専門学校・TCD・comod
EMERALD BIKES・EMERALD BIKES・EMERALD BIKES
今野製作所・CHERUBIM
タカギサイクルワークス・WILDGOOSE
パナソニックサイクルテック・Panasonic Bike・Panasonic
M.マキノサイクルファクトリー・サイクルスポーツ・MAKINO
オオマエジムショ・après
サイクルグランボア・GRANDBOIS(オープン参加)
東叡社(展示のみ)
スペシャルステージのヒルクライムは、e-BIKEを持ち込んだ東京サイクルデザイン専門学校・TCD・comodチームが勝利。時代の流れを実感させられました。
とはいえ、新しいスタイルの旅用自転車というお題で、じつにバラエティー豊かなスペシャルが集まったことが本当に嬉しい。創造性、チャレンジ精神、情熱。熱いコンテンダーたちに感動でした。
細かい説明抜きで、主だった自転車をご覧いただきましょう。
Photp © Japan Bike Technique
早朝の暗い時間にスタート。前後ライト、バッグ類などツーリング装備が義務付けられている
フィニッシュ後に、「テンションシルク」の軽さをステージでアピールする絹サイクルの荒井さん
学生チームの「TCD」は独自設計の自作フレームにモーターとバッテリーを搭載。ヒルクライムレースで勝利
総合優勝したベロクラフトは、伝統的なランドナースタイル。ディスクブレーキ、ハブダイナモ、電動変速メカを搭載
自作カーボンフレームで参加のNAGARA。斬新なキャリアの造形、泥除けステーの脱着メカなどが光った
自作変速機で参加のEqipe C speed。「フィクスドギヤの押されるダイレクト感が最高!」と語った漢の鉄バイク
総合優勝には、ロー溶接に用いるトーチを台座固定されたスペシャルトロフィーが用意された