フリーマーケットアプリ大手のメルカリは、本年6月シェア自転車事業から撤退すると発表した。
メルカリは2018年春、「メルチャリ」と名付けた自転車400台を福岡市内のポート(駐輪場)50個所に配置、当面の目標は2.000台程度に拡大していく計画だったが、採算が合わず撤退する。事業そのものは別会社を設立、継続するとしている。
メルチャリは、スマホを使って空車を探し、開錠から代金決済までを簡単にできる。しかし日本では、このスマホを使うシェア自転車が始まった中国と異なり、路上での乗り捨ては禁止され、駐輪場の設置が必要である。
これについてメルカリは、地域の企業・店舗・個人と提携して、軒先など様々な空きスペースを「共同運用型」と呼んでポートにすることにより、街中に数多くの駐輪場設置を計画。また放置・故障車の通報などに個人が参加すればマイルなどのメリットも供与される仕組みを打ち出していた。
この地域社会を巻き込む発想は斬新だったが、利用料1分毎4円、30分120円と格安だっただけに、採算が合わなかったと思われる。
事業運営を手がける子会社の㈱ソウゾウは解散、孫会社を新設して事業を引き継ぐという。
スマホを使うシェア自転車は、2016~17年世界に広まったが、乗捨て自由による放置車など問題が多発、近年撤退が相次いでいる。
日本でも、世界首位の中国・オッフォや2位モバイクが和歌山・札幌・福岡などに進出したが、採算が合わず撤退や営業を停止している。シェア自転車事業成否のカギは駐輪場にあるが、現状では場所の確保が難しい。
事業の撤退、縮小が続く半面、都市交通手段として定着が期待されるなか、今後の成り行きが注目される。
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