本能を目覚めさせる自転車、Halfbikeの第3世代が登場

2019.04.09 赤松正行

立ち漕ぎ専用の小さな自転車Halfbikeが第3世代となり、そのクラウドファンディングが開始された。4月6日のキャンペーン開始後24時間以内に目標金額であった約1,100万円を突破、4月9日現在で1,600万円を超えているので、製造が実施されることは確実。早期支援は終了しており、現在は1台US$499(約55,000円)で支援を募集中。申し込みは5月1日まで、7月に届けられる見込み。

このHalfbikeは一般的な自転車の半分以下のサイズで、ユニークで美しい形状を保つ。しかし、可愛らしい見た目に反して、乗りこなすのは難しい。3輪ではあるが安定感はなく、ペダルを漕いだ方向に倒れてしまう。ハンドルは単なる取っ手で、車輪が左右に回らないのでバランスが取れない。誰もが倒れそうになって嬌声を上げる。それは危険を感じた悲鳴ではなく、面白さに我を忘れる歓声だ。

そう、Halfbikeは面白いのだ。乗れそうで乗れないのでムキになる。初めて自転車に乗ろうとした記憶が蘇る。大人になって何でもできる気になっていた傲慢さが打ち砕かれる。本能を目覚めさせる自転車だとHalfbikeの制作者は言う。ただ、実際には数回取り組めば乗れるようになる。既存の自転車の代替ではなく、感覚的にはスケートボードに近い。乗りこなす快感の最大化だ。

筆者は前回のクラウドファンディングでHalfbike IIを手に入れている。この第2世代と比べると、今回の第3世代は外観には大きな変化がないものの、細部において様々な改良が加えたそうだ。見かけの変化より、本質的な完成度を高めるポリシーなのだろう。個人的にはブレーキが強化されたことと、より直感的に操縦性が向上したことに期待したい。謳い文句は、人と機械とダンスとの架け橋。

考えてみれば、1885年のセイフティー型自転車によって自転車の基本型が確立されて以降、百数十年に渡って本質的な変化は起こっていない。リカンベントなどの試みはあるものの、市民権を得るには程遠い。そのような状況にもかかわらず、果敢に挑戦を続ける姿勢に敬意を表したい。常識を疑って柔軟に発想し、失敗を繰り返して地道な努力を続けた結果がHalfbike 3に他ならない。

【参考】Halfbikeの愉快(Critical Cycling)
    Halfbikeのその後とディスカウント(Critical Cycling)

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