アメリカの自転車フレンドリー州ランキング2017年版

2019.03.27 赤松正行

以前に海外の自転車事情が気になって調べたところ、アメリカでは州ごとの自転車フレンドリー度が詳細に評価されていることが分かった。これは2015年版であり、その後に2016年は調査が行われなかったものの、現在は2017年版が公開されている。2018年版も鋭意進行中だそうだ。その2017年度のランキングでは、堂々の1位はワシントン州、そしてミネソタ、カリフォルニア、マサチューセッツ、オレゴンと続く。

アメリカの州別自転車フレンドリー度ランキング(2017年)

2008年の調査開始以来のランキングの推移を見れば、実はワシントン州は不動の1位をキープしていることがわかる。もともと自転車環境が素晴らしいとともに、常に改善が続けられているのだろう。また、カリフォルニアが一気に3位に躍り出ていることも注目される。以前の調査のきっかになったオレゴンは、順位をひとつ上げて5位となった。州ごとのレポートも掲載されているので、評価の詳細や解説を読むことができる。

アメリカの州別自転車フレンドリー度の推移(2008年〜2017年)

さらに、この州ごとのランキングを色分けした地図が面白い。大雑把に見ると東海岸と西海岸は自転車環境が良く、中央部はイマイチ。これは「赤い州・青い州」にも類似している。赤い州は共和党系で保守的な農村部、大統領で言えばトランプやブッシュ。青い州は民主党系でリベラルな都市部で、オバマやクリントンを輩出した。個人の自由の象徴でもある自転車を考えれば、頷ける話ではある。

自転車フレンドリーな州の色地図(緑のほうがフレンドリー)
2004年から2016年までの大統領選挙における州ごとの投票傾向を赤(共和党)と青(民主党)の色比率で表示

このようなランキングやレポートをまとめているのは、The League of American Bicyclistsという会員制非営利団体で、なんと1880年に創立されている。しかも、自転車に乗る人のための組織としては、アメリカ最大だそうだ。以下に、彼らが掲げている信念と目標、そして任務を拙い翻訳で掲載しておこう。日本では同様の組織があるだろうか? 寡聞にして知らないので、ご存知の方はぜひ紹介して欲しい。

私たちの信念(WE BELIVE)
自転車に乗ることは人々を結びつけると信じます。
より多くの人が自転車に乗るようになれば…
 人生はすべての人にとって良くなります。
 コミュニティはより安全に強固になり、より良く結ばれます。
 私達の国家はより健康になり、経済的に強くなり、環境的に浄化され、エネルギーに束縛されないようになります。

私たちの目標(OUR VISION)
それは、自転車に乗ることで得られる多くの利点や機会を、すべての人が理解して享受するような国家です。

私たちの任務(OUR MISSION)
それは、すべての人にとって自転車フレンドリーなアメリカを作る社会的運動を率先することです。リーダーとしての私たちの役割は、基準を尋ね、学び、定義することであり、多様なコミュニティを引きつける最良の方法を共有し、力強く一致団結した変革の声を生み出すことです。

【参考】アメリカの自転車フレンドリー州ランキング(2015年版、Critical Cycling)

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