メーカー名 : Cannondale
車種名 : SYSTEMSIX HI-MOD ULTEGRA DI2
カラー : SAGE GRY
価格 : ¥790,000
モデルイヤー : 2019
サイズ : 47,51,54,56
仕様 : キャノンデール最上位のフレームに、シマノULTEGRA DI2 DISCを搭載したセカンドグレードモデル
*詳細はメーカーサイトリンク
https://www.cannondale.com/ja-JP/Japan/Bike/ProductDetail?Id=8eb8c2e1-e784-46a5-bf87-cf858b515a8b
人気の秘密
記者:
昨今、エアロロードを多くのメーカーが出している中で、今までTT車以外エアロ形状のフレームが無かったキャノンデールが、ついにエアロロードを出してきたんですね。
A:
はい。かつてキャノンデールは軽さとパワーのバランスがスピードを生み出すっと、かがけていて空力に優れたエアロロードは一度否定しています。そのキャノンデールがようやくと言って良いモデルをリリースしました。
記者:
見た目的にエアロロードだとわかりますが各社同じようなモデルが多い中で、キャノンデールのシステムシックスは何が良いのですか?似たようなフレームは他社でもありますし、他とあまり変わらないのでしょう?
A:
確かに似たような形状のモデルは巷に溢れるほどです。
また、多くのメーカーの宣伝文句も空力性能が何%アップ、何%軽量化、などで似通っていますから、新しい見た目のモデルが出た、程度の認識も仕方ないのかもしれません。
しかし、このシステムシックスの優れた点は理詰めでその優位性を立証してきたところにあります。
記者:
理詰めの優位性?
A:
はい、多くのメーカーのエアロ形状に使われる技術は実は大体同じです。
それは別に自転車に限ったことではなく、車でも飛行機でも同じです。
問題はその技術をいかに効果的に使うか?です。
その点キャノンデールは風洞実験や数値流体力学などの科学分析を駆使し、エアロロードの問題点だった重量増を最小限に、剛性はレーシングバイクと同等に、コーナリング性能もレーシングバイクに負けないように、空力においては単純なフレーム設計だけでなく、特許を使ってまでこだわったタイヤより太いリムのホイール、そのホイールに合わせたフレーム+フォークの幅を風のラインで設計、そしてハンドル、ステム、シートピラーも計算し尽くして合わせた仕上がりになり、可能な限り全体をデザインすることによって大幅に空力性能を向上させています。しかもそれが各サイズごとに合った別々の設計になっているところもキャノンデールらしいっと言えます、これによってどのサイズに乗っても極力変わらない同様の性能になるようになっていて、得られる効果はどの身長の人でも変わらない、っを実現しています。
その結果、他社製品との風洞実験による比較において優位性を誇るデータを実証し、レーシングモデル“スーパーシックス”との比較においても優位性を実証しています。
記者:
でもそういった比較は他のメーカーがやっている事と変わらないのではないですか?
A:
はい、まさにそれだけではありません。キャノンデールの良いところは旧モデルとの比較で何%増、とかではなく走行時のシステムシックスの優位性をわかりやすく数値として出してきたところです。
この風洞実験で同社のスーパーシックスとの比較において、時速30kmでの走行でも10%少ない力で走行可能と、低速でもエアロ効果が十分発揮されていることを実証しています。これは早く走るだけでなく楽に走ることにも優れている事になります。実際に鈴鹿サーキットを1週する場合、レーシングモデルのスーパーシックスよりも約13秒速い、っという計算結果も出ています。
記者:
低速走行だとエアロロードは効果がない、っと思っていました。
A:
そうですね。効果がない、っというより低速なら軽量に優れたモデルの方がより有効だと思われていたのですが、やはり低速でもエアロ効果はあるということを立証しました。しかしあくまでシステムシックスの場合では、っという数値です。
記者:
でもエアロロードが向かないって言われている登りにはやはり向かないのでしょう?
A:
いえ、そこも立証したのがこのシステムシックスのすごいところであり、理詰めっていう点です。
記者:
えっ!?登りも凄いのですか!?
A:
いえ、登りにすごく向いているって訳ではないんです。
ただ、今までは漠然と平地にはエアロロード、登りには軽量ロードっと大雑把な区分けがなされていてその両方に使えるオールラウンドロードなどもありましたが、明確にこの状況ならこのフレーム、っと言った基準がなかったんです。
その基準を導き出し、最適な選択ができるようにしたのがこのシステムシックスなんです。
記者:
基準、ですか?
A:
はい、キャノンデールはその基準を“ティッピングポイント“と言っています。
記者:
“ティッピングポイント“というのは?
A:
優れた走行性能というのは様々な抵抗要因の軽減性能、っという事にもなります。平地走行での大きな抵抗要因として“空気抵抗”と“転がり抵抗(摩擦)”があります。空気抵抗はエアロ形状などで、転がり抵抗はホイールの回転抵抗やタイヤの選択によって低減を図ります。
一方で登坂性能においては、パワーを受け止める剛性、勾配がキツくなればなるほど増大する重力を軽減させるための軽量さが求められます。
もっと簡単にいうと平地では空力が求められ、登りでは軽さが求められる訳です。
しかし最近のフレームはどちらもそつなくこなせるオールラウンドなフレームが多く、平地に主体を置いたフレームにするか登りに主体を置いたフレームにするかの選択が難しくなっています。
そこの垣根をわかりやすく数値に出したのがティッピングポイントで、簡単にいうと、斜度がどのくらいまでならシステムシックスの方が早く走れ、それ以上ならスーパーシックス、という境界線となる数値です。
記者:
つまり、そのティッピングポイントによってエアロ形状のシステムシックスか、軽量なスーパーシックスのどちらが良いか分かる、っという事ですね?
A:
その通りです。
その導き方はパワーと体重が根拠となります。
例えば出力300w、体重が75kgの人の場合(4w/kg)、勾配がおよそ6%までなら軽量なスーパーシックスよりも空力に優れたシステムシックスの方が早い、この6%がティッピングポインととなるっという事です。
ちなみにMt.富士ヒルクライムは平均勾配が5.8%、平均出力4/kg近くを出しているならシステムシックスの方が早い、っとなります。
これによって、使用者の走るコースの平均勾配とパワーがわかればより最適なフレーム選択がなされる、っという訳です。
記者:
なるほど!
しかし平均勾配6%は良いですが、10%の急勾配も沢山ありますね、その場合はスーパーシックス、っという事ですね。
A:
はい。その場面で見ればそうです。
しかしロードレースは登り主体のコース選択でなければ、平地走行の方が多いですからあくまで平均値で見た方が良いと思います。
好みはそれぞれですが登坂においては必ず下りもありますし、下りにおいては空力性能が最大に効果を発揮しますからね、ヒルクライムレース主体の方でなければ、システムシックスの方がオススメと個人的には思います。
また、キャノンデールによれば鈴鹿サーキットではレースバイクのEVOより1週約13秒、富士ヒルクライムでは約8秒早い、と計算されています。
これは秒で表していますが実際の距離で換算すると、時速30kmでの走行であったなら、13秒で約100m、8秒で約60mの差がついている事になります。
実際に走行時に前を行く人と100m離されていたら・・・背中は遠いですよね・・・
さらにレースですから、よりスピードが出ていればその差はもっと大きくなります。システムシックはかなりのアドバンテージのある速いバイクだという事です、コレは逆に言うと速さを求めなければより楽ができる、と言う事にもつながります、タイム差がない程度に力を抑えた走りであれば、その分楽ができているっと言う事ですから。
記者:
世界最速のバイクは、より楽に走る事にも向いている、ってわけですか。
ティッピングポイントでどこでも速いがわかりやすく実証、説明されているわけですね。
実際に乗ってみたくなってきました!ありがとうございました。
A:
全てシステムで計算されている・・・システムシックスの名前の所以となっています。是非乗ってみて下さい!