レンタサイクル物語8 シエア自転車の“終わりの始まり”

角田安正

中国でシェア自転車各社の苦戦が一段と鮮明になってきた。過当競争が経営を圧迫、赤字が続き、消耗戦の様相を呈している。「シェア自転車バブルの終幕」と報じたマスコミもある。

━2015年「ofo(オッフォ)」創業に次ぎ、16年に「摩耗単車(モバイク)」がサービスを開始、さらに70社を超える企業がシェア自転車事業に続々参入。乗捨て自由・スマホ決済の簡便性が受けて、中国全土に爆発的に広がった。ネット通販の「アリババ」やライドシェア(相乗り)の「滴滴出行」などの新興企業も出資してそれを後押した。

17年には中国200都市で約2300万台が稼働、大手は海外にも進出、新交通システムとして脚光を浴び、シェア経済の代表例として持てはやされた。

━ところが、有望ビジネスに多数の企業がドッと群がり、アッという間に破綻するのは、経済成長を続ける中国経済の特質でもある。すぐに淘汰が始まり、わずか3~4年で6~7社に激減している。

最大手2強さえ赤字が続く。モバイクは生活サービス(出前アプリ)の「美団点評」の、ofoはアリババや滴滴出行の出資を仰いで事実上の破綻、海外撤退も相次いでいる。

日本でも、最初に進出したofoは撤退。モバイクは福岡の事業に絞り、パナソニックとの提携に期待をかけるという。

シェア自転車先進国台湾は━

台湾のシェア自転車は、世界最大の自転車生産国中国より早くスタートしている。07年のパリ・ヴェリブに続き、09年「ユーバイク」(YouBike)が主要都市で始まった。行政が補助金を出し、自転車メーカージャイアントが協力、駐輪ポート・カード決済方式だった。台北では400カ所のポートで13.000台が稼働、市場を独占した。

遅れて17年、シンガポールから「オーバイク」(Obike)が殴り込みをかけた。乗捨て自由・スマホ決済の中国式を謳い、たちまち台北だけで7.000台、ユーバイクの牙城に迫った。

だが、乗捨て自由は便利だが、迷惑駐輪や放置車、整備不良車放棄などの弊害を生む。当局は1.000台を超える回収を迫られ、市議会は乗捨て禁止法制化を実施した。オーバイクはたちまち苦戦に陥り、撤退さえ噂されている。本国シンガポールやオーストラリアでの事業は打ち切っている。

━中国式シェア自転車の武器は「どこでも自由に乗れる利便性」にある。これは同時に「どこでも乗捨てる迷惑行為」を生む。シェア自転車最大の問題点は、この点にある。

世界的に爆発的な伸長を続けるシェア自転車の衰退の始まりだろうか……。

 

7か月前