前々回にヴィンテージ自転車の祭典、「Eroica JAPAN」が草津温泉で開催されて、コンクールデレガンスの審査員を務めたことをお話しました。
今回はそのコンクールについて、審査の視点をご紹介します。
イタリアを始めとする世界のエロイカは、同じ基準で審査をします。
日本はコンクール出展者がまだ少なめだから楽ですが、海外では1台に2分程度で審査しないとタイムオーバーで、イベント進行に支障を来たします。
さて、まずは出展者に挨拶をして、自分が審査すると名乗ります。
審査は5つのチェックすべきことがありますが、2から始めます。
採点は②フレームの製造品質をチェックし、③フレームの塗装・メッキをチェックし、④部品類が時代的におかしくないかをチェック。その後で①全体の審美的なバランスを採点してゆく。→ここまでの採点で同点になった自転車があれば⑤歴史的意義=物語(有名な選手がレースで勝ったとか、試作品であるとか、形見の品であるとか)で雌雄を決する。
①Overall Aesthetics(審美的採点)
②Quality of manufacture(製造品質的採点)
③Quality of Paint/Chrome(塗装・メッキ的採点)
④Component Correctness score(部品類の時代考証採点)
⑤Historical Significance10score(歴史的意義)
時代カテゴリー別に複数審査員が、グループ協議しながら採点してゆきます。一番難しいのは、塗装です。オリジナリティーが最重要ですから、骨董で言うところの「古色がついた」色の衰え方が粋なわけです。なんとヴィンテージ自転車では、ピカピカ過ぎるのは減点なんです。
写真提供:エロイカジャパン
カテゴリー: Bacchus column