メルカリ、シェアサイクルに参入

フリーマーケットアプリ大手のメルカリは、本年2月から「共同運用型」と名付けた新しいシェアサイクル事業を開始した。
運営はグループの㈱ソウゾウが担当、自転車400台、ポート(駐輪場)50個所で福岡市からスタートした。夏頃までには2.000台程度に拡大するという。

この「メルチャリ」とネーミングされたシェアサイクルは、スマホを使ってポートにある空車探しから返却、さらに開錠・代金決済まで一括してできることは、従来型とほぼ同じである。
特徴は地域社会が参加して共同運営することにある。地域の企業・店舗・個人と提携して、軒先など様々な空きスペースを大小問わずポートにすることにより、街中に数多くの拠点が設置でき、乗捨て自由に近い利便性が生まれという。

さらにGPSで自転車の駐輪状態を常時把握、地域の企業と提携して放置・故障車の移動・回収をする。また放置・故障車の通報などに個人が参加すればマイルなどのメリットも供与される仕組みである。

この地域社会を巻き込む新しい発想は、資源の有効活用を促進するこの企業ならではことであり、料金は1分4円で利用分だけ支払うシステムも合理的である。(30分なら120円、他社比較でも安い)

だが、事業成否のカギはポートづくりと自転車そのものにある。
ポートは自動販売機の普及になぞらえれば、協力が得られる可能性は高く、事実発表された福岡のポート提供企業リストを見ても広範囲である。

もう一つの課題である自転車は、20インチ、3段変速付きだが、あまり変化のないママチャリである。(電動アシスト無し)これからの課題は、パンクレスタイヤやスポーク・ワイヤー折損などのメンテナンスコストの少ない専用車の開発であり、体格に合わせてのサドル・ハンドルの簡便な上下装置、照明・積載装置などへの配慮も必要になるであろう。
メルチャリは最後発ながら、乗捨て不可の日本のシェアサイクル事業として極めて有望である。

5年前